「This Is Me」。「これが私だ」という、主張のニュアンスを含んだ題名にはどのような意味が込められているのでしょうか。
少し、歌詞から考察してみましょう。
Look out, ʻcause here I come. And Iʼm marching on to the beat I drum.
Iʼm not scared to be seen. I make no apologies. This is me.
(お前らが恐れる)私が通るから気をつけな。私は⾃分たちのリズムで進む。
⾒られることを恐れたりしないわ。もう謝ったりもしない。これが私という存在よ
「私はこういう人間だ」と自身を再定義する内的処理ではなく、「これが私だ」と目の前の社会に突きつけている。
言い換えれば、「ありのままの自分を受け入れる」だけではなく、「お前たちが異常だと呼ぶこの私も、ここに存在している」と社会に認めさせようとしているわけです。
諦めることも、逃げることもしない。
彼らはサーカスという居場所を得たことで、社会から姿を隠すのではなく、むしろ舞台の上から自分たちの存在を示していきます。
ありのままの姿をさらけ出し、向けられる視線さえも受け止めながら、抑圧する社会に正面から立ち向かっていくのです。
そんな彼らに居場所を与えたバーナム。
被差別者に寄り添う優しい理解者として、彼らに勇気を与えた偉⼤な存在として、最高のエンターテイナーとして、映画では描かれています。
本当にそうだったのでしょうか。
では、このような表現はどうでしょう。
障がい者を珍奇な⾒世物として並べて⾦を稼ぐ搾取者、演者を巧みに説得して⾃信満々に踊らせるペテン師。
このような⼆⾯性は社会に溢れています。
周囲から⾮難される⾮⼈間的な⼈々、他人を「正常」「異常」と区別する⾮⼈間的な⼈々。
バーナムという存在には、多様な描き⽅が存在します。
ぜひ、注⽬しながら演劇を楽しんでください。